Robert Mapplethorpe

ロバート・メイプルソープ(1946年〜1989年)はアメリカの写真家。スキャンダラスな作風で一世を風靡し、エイズでこの世を去りました。

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私がメイプルソープを見たと思い込んでいるのは、MOMAで出会ったの大きな特別展示です。思い込んでいるというのは、その作家がメイプルソープだったのか他の誰かだったのか思い出せないでいるからなのです。また現在メイプルソープの作品を検索しても、私が見たものが見つからないからでもあります。封印された作品なのか、別の作家なのか。
当時出張の合間に美術館を訪れることが習慣になっていたので、ニューヨークで時間が無いときは迷わずMOMAに行く事に決めていました。他の美術館や画廊より、時間を無駄にしないという点ではMOMAが一番だったからです。その日もラインハートなどの絵画を見たくて急ぎ足で入館しました。そして何階だったか忘れましたが、その写真展に出会ったわけです。
それは通り過ぎようとする足を止めるに充分なインパクトでした。大全紙より一回りかふた周り大きい縦位置の印画紙に、顔のどアップが焼かれています。それが大きな部屋に無数にありました。顔、顔、顔です。一目でそれが何を意味しているか分かりました。写真家自身のセルフポートレイトで、エイズが発症してから、病状が進展して行く様を時系列に同ピンで撮影した作品だったのです。この時の衝撃は、感動を超えたものだったのを覚えています。そこには死そのものはありませんでした。当たり前ですが、直前までだったと思います。
今考えると、あの作品は写真がアート足る可能性を実現したものだと思えます。記録であり、ストレートフォトであり、さらに厳密に計算されたライティングが示しているようにスタジオで撮影された作り込み写真でもあったからです。写真のあらゆる要件を備え持った作品でした。そして何よりも撮影の意図が感情から発したものと思えないミニマルな静寂を感じたからでもあります。
もしメイプルソープの作品じゃなくて作家が誰なのかご存知の方がいましたら、お手数ですがご教示ください。
現在メイプルソープの作品は財団によってに管理されています。初期のポラロイドによるセンセーショナルな作品は別にして、どれもが無音の世界にある優れた作品だということを感じさせてくれていると思います。

 

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02. 2月 2012 by ssnnim
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